化粧品の成分の毒性判定-基礎化粧品に入っていると危ない成分は?
世の中にはさまざまな化粧品があり、プチプラからデパコス、一般化粧品から医薬部外品などがあります。どれもそれぞれの役割や効果があるため、どの成分が自分の肌に合わないのかわからない方も多いでしょう。
化粧品に配合されている成分によっては、毒性のものも存在します。いわゆる肌の刺激になる成分で人によってかゆみや痛み、赤みを生じてしまうものです。
そこで、今回は化粧品の成分の毒性に焦点を当て、毒性判定する方法や基礎化粧品に入っている危ない成分について紹介します。ぜひ、化粧品を購入する前、使用する前の参考に読んでみてくださいね。
化粧品に入っている毒性成分を判定【刺激になる成分】
こちらをご覧ください。
医薬品医療機器等法では、原則として、化粧品の「直接の容器や箱」等に、配合されている成分すべてを表記すること(いわゆる全成分表示)が定められています。
引用元:独立行政法人 国民生活センター
化粧品には成分表示が義務付けられています。美容知識がある程度ある方であれば、自分に合う化粧品がわかるでしょう。ですが、口コミの評判や好みのブランド、好きなモデルさんがおすすめしている化粧品を使用している方にとっては”どんな成分が肌に悪影響を及ぼすのかわからない”でしょう。
直接肌に塗る化粧品だからこそ、安全なものを使用したいところ。わかりやす確認できるように基礎化粧品に入っている毒性成分をまとめてみました。
基礎化粧品に入っている毒性成分
成分名 | 役割 | 毒性 | 注意度 |
パラベン | 防腐剤 | 毒性が低く、多くの化粧品に配合されている。 | ★ |
レソルシノール | 防腐剤・殺菌剤 |
皮膚や粘膜を刺激あり。アレルー反応を起こす恐れもある。 |
★★★★ |
フェニルフェノール(OPP) | 防腐剤・殺菌剤 | 人によってアレルギー反応あり。皮膚や粘膜に刺激を与える成分。 | ★★★ |
イソプロパノール(IPA) | ・溶剤や香気の発散性を向上する |
皮膚刺激性はほとんどなく、目に対する刺激は不明。 | ★ |
イクタモール | ・抗炎症剤・防腐剤など |
粘膜に刺激を与える成分。 発疹症状が起きてしまう場合もある。 |
★★ |
2-イソプロピル-5-メチルフェノール | ・防腐・殺菌剤 | 皮膚に刺激を与えやすく、人によってアレルギー反応を起こしてしまう方も。 | ★★★ |
上記の成分は殺菌剤や防腐剤、界面活性剤の役割を持つものです。アレルギー反応や目にしみる、肌荒れするといった肌トラブルを起こしやすい毒性成分になります。
殺菌剤は化粧品に配合されている成分が微生物のエサとなるため、微生物を死滅させる作用があります。また防腐剤も殺菌成分と同じように、化粧品の成分が微生物のエサとならないように繁殖を防ぎ、腐敗しない役割を持つ成分です。
界面活性剤は水と油になじみやすい成分で化粧品を乳化させたり、水に溶けにくい物質を溶かしたり、ほこりなどの汚れを洗い流すことができます。しかし、人によって肌に刺激を与えやすい毒性成分なり得るものなので敏感肌や乾燥肌、ゆらぎ肌は気をつける必要があります。
化粧品の毒性判定をする方法
化粧品の毒性を判定するには以下の方法を試してみましょう。
・成分検索サイトで調べる
化粧品成分の一覧
化粧品にはクレンジングや洗顔、化粧水、美容液などがあります。普段何気なく使っている化粧品に何が入っているのかわからない方も多いでしょう。そこで、化粧品に入っている成分を一覧表にしてまとめました。
化粧品成分の一覧表 | |||
一般名 | 別名/役割 | 特徴 | 成分 |
ベース成分 | 水溶性成分 | 化粧品の70~90%を占める化粧品の骨格 | 水、エタノール、保湿剤(BG,PG,ベタイン等) |
保湿成分 | ・潤いを引き寄せ、潤いを与える成分 ・肌のバリア機能を整え、水分保持力を高める成分 ・水分を閉じ込める成分 |
肌に潤いを与え、乾燥を防ぐ | ・コラーゲン/ヒアルロン酸/アミノ酸 ・セラミド ・ワセリン/スクワラン |
エモリエント成分 | 油溶性成分 | 油で肌から水分蒸発を防ぎ、潤いを保つ | ミネラルオイル/セタノール/ワセリン/ツバキ種子油/ホホバ種子油 |
美白成分 | 紫外線の影響を食い止める成分 | ・メラニンの生成を防ぐ ・メラニンを排出する ・メラニンの色を脱色する (色素還元) |
・トラネキサム酸/アルプチン ・プラセンタエキス/レチノール ・ビタミンC誘導体 |
抗老化成分 | 加齢や紫外線、乾燥、表情など によってできる抗シワ成分 |
・小ジワ(表皮性シワ) →目元や口元 ・表情ジワ →額や眉間、目元 ・深いシワ(真皮性シワ) →目尻や口元、眉間、額 |
・コラーゲン/セラミド/スクワラン/ワセリン ・アルジルリン/イルベンジルアミド ・レチノール/ニールワン/ナイアシンアミド |
細胞賦活成分 | 細胞を活性し、老化を防止する成分 | 細胞を活発させることによって細胞を若くし、老化を防ぐ | アミノ酪酸/エクトイン/L-オキシプロリン/加水分解コンキオリン |
バリア改善成分 | 肌のバリア機能を整え、潤いを与える成分 | 低下したバリア機能を正常に戻し、肌に水分を補給する | セラミド |
抗酸化成分 | 活性酸素を抑える成分 | 活性酸素の発生を抑え、様々な肌トラブルを防ぐ | ビタミンE誘導体/フラーレン/アスタキサンチン/B-カロチン |
抗菌成分 | 化粧品の菌の繁殖を抑える成分 | 化粧品の微生物の繁殖を防ぎ、肌トラブルを防ぐ | エタノール/プロピルパラベン/フェノキシエタノール |
抗炎症成分 | 肌の炎症を抑える成分 | 炎症を悪化させる物質をブロック、炎症を抑える | グリチルリチン酸2K/アラントイン/アズレン |
界面活性剤 | 水や油を混ぜ合わせる成分 | 水に溶けにくく、物質を溶かす | O/W型(乳液やクリーム) W/Og型(UVクリーム) |
安定化成分 | 化粧品の劣化を防止する成分 | 化粧品の品質を保持する | キレート/pH調整/防腐剤/酸化防止/増粘/分散 |
角質剥離成分 | 角質の溶解や角質の分解に有する成分 | 肌の新陳代謝を促進し、正常化 | DL-リンゴ酸/グリコール酸/サリチル酸/パパイア果実エキス |
紫外線防御成分 | ・吸収剤 ・散乱剤 の2種類ある |
・吸収剤は肌や細胞に当たる紫外線を減らす ・散乱剤は紫外線を反射させ、紫外線を減らす |
・オクチルトリアゾン/オクトクレリン ・酸化チタン/酸化亜鉛 |
温冷感成分 | |||
香料 | 化粧品に香りをつける成分 | 基剤の匂いをカバーしてくれる | 香料/ラベンダー油/ローズ油 |
着色剤 | 天然由来成分や合成着色料(タール色素)成分 | 化粧品の効果感を演出や変色をカバー、色づけする | カラメル/シアノコバラミン/クロレラ |
その他 | 発酵成分 | 発酵することで成分の粒子が小さくなり、 肌に成分が浸透しやすくなる |
ライスパワーNo.1/酵母エキス/豆乳発酵液/納豆菌発酵液 |
化粧品は大きく基剤といわれるベース成分、乾燥やシミなどにアプローチした美容成分、品質を保つための成分の3つに分けられます。
なかでも美容成分はメラニンの生成を抑え、シワやくすみを防ぐといった有効成分が入っている化粧品があります。有効成分は厚生労働省が一定の効果が認められている成分です。
医薬部外品として位置づけられているため、一般の化粧品と区別されています。同じ化粧品であっても「普通の化粧品」と「医薬部外品」があります。
化粧品を選ぶときは、肌に負担がかかる毒性成分は入っていないか、どんな保湿成分が入っているか、肌悩みに合った有効成分かどうかに注目しましょう。
化粧品の成分の毒性判定には書籍も参考になる
毒性を判定する際には書籍も参考になります。
ネットで検索するよりも書籍から情報を入手すると役立つ場合も。
おすすめの使用方法は、気になることがあったら調査する逆引きのような使い方です。
『自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典』
約6200種類の成分がこと細かく解説している「自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典」。2005年に発売された小澤 王春さんの著書です。宣伝広告などに惑わされることなく、自分の肌に合った化粧品を選んで欲しいという思いが詰まった一冊になります。
主に化粧品に配合されている成分の名前や用途、毒性を示した事典です。本書を読むだけで自分で成分を調べることでどれほど良い成分が入っているのか、皮膚に刺激を与える毒性成分があるのかがわかります。本書は美容知識をもっと高めたい、毒性成分を知りたい方におすすめです。
ウソをつく化粧品
人気化粧品の裏側に着目し、あるメーカーの製品を徹底検証した「ウソをつく化粧品」。著者は東京美容科学研究所所長、工学博士など、あらゆる肩書きを持つ小澤貴子さんです。人気コスメや化粧品であっても、100人いたら100人合うとは限りません。
肌質が異なるように、合う化粧品もそれぞれです。無添加や敏感肌用、オーガニックなど、実は肌に合わない危険な成分もあります。本書は誰もが知るブランドの化粧品だから安心、肌がキレイなモデルが愛用している化粧品だから私も美肌になれると、まどわされている方におすすめです。
化粧品成分ガイド
理美容系専門学校でも採用されている「化粧品成分ガイド」。ロングセラー本として多くの美容学生に知られている本で、肌に合う化粧品の正しい選び方から化粧品や医薬部外品の代表的な成分などを解説しています。少々厚みのある本ではありますが、化粧品の効果を最大限発揮する使用法や成分の名前、役割・効果と気になるあらゆる疑問が解決する本です。
本書を読むだけでどんな化粧品の成分が毒性なのか、どの成分が自分の肌に合わないのかがわかります。正しいスキンケアを行うためにも、「化粧品成分ガイド」は欠かせない一冊と言えます。
美肌成分事典
美容化学者のかずのすけさんとコスメレシピクリエーターの白野実さんが話題の化粧品成分を解説した「美肌成分事典」。ピンクでポップな表紙が目を惹く本書は、美容知識がない方でも無理なく成分について学ぶことができます。読みやすい漫画から始まり、文章だけではなく、イラストが散りばめられた美容本です。
化粧品を選ぶときに大切なパッケージの見方を細かく解説しており、赤い枠や灰色の枠で重要ポイントを囲んでいるところも◎。肌悩みや美肌になるカギ、肌の調子をよくするコツなども盛りだくさんなので、美容知識を付けたい、自分に合った化粧品を使いたいと思っている方におすすめです。
化粧品の成分検索ができるデータサイトおすすめ3選
化粧水や乳液で肌荒れをした、赤みがでた、ヒリヒリするなど、化粧品によって肌トラブルを起こしたことがある方も多いでしょう。生活習慣や体調によっても肌状態は変化しますが、合わない化粧品を使うことで肌に刺激を与えてしまいます。今回は化粧品の成分を調べることができるデーターサイトを3つ紹介します。
・Re:color
・化粧品成分オンライン
・Cosmetic-Info.jp
⒈ Re:color(リカラ)
ヘアケア商品のおすすめランキングや口コミ、成分検索などを調べられるRe:color(リカラ)。白髪染めやトリートメントの総合サイトで「白髪染めの成分解説」というページにはア行からワ行、英数の順にあらゆる成分の解説を行っています。
成分の右側を見てみると、A・B・C・Dのアルファベットが書かれており、成分の安全性を4段階で分けています。
・B→安全性は高いが、稀にアレルギー報告がある成分
・C→危険性は少ない、なるべく控えたい成分
・D→毒性や刺激が強い、控えたい成分
⒉ 化粧品成分オンライン
専門的な知識を初心者でもわかりやすく解説した化粧品成分オンライン。サイトの運営者は化粧品成分上級スペシャリストという資格を持っており、難しい成分や肌に関する知識を正確かつ、わかりやすい言葉で紹介しているサイトです。
調べたい成分を検索ワードに打ち込み、クリックするだけで成分に関する記事が多数表示されます。たとえば敏感肌にとって刺激になりやすいアルコールを調べるだけで、変性アルコールやオレイルアルコールなどの記事がずらーっと表示されます。化粧品成分オンラインは成分の特徴や効果をもっと知りたい方におすすめです。
⒊ Cosmetic-Info.jp
化粧品の表示名称リストをデーターベース化したCosmetic-Info.jp。14,908件(※)の化粧品成分が登録されており、「化粧品表示名称検索」に「あ」と入力するだけであらゆる成分名が表示されています。
他にも医薬部外品添加物/有効成分等検索や原料検索、処方例検索があるため、初心者の方から美容知識がある方まで満足できるサイトになっています。
(※)2021年5月8日時点
まとめ
今回は化粧品の毒性や判定の方法、基礎化粧品に入っている危ない成分を紹介しました。普段使っている何気ないスキンケアアイテムに配合されている成分がどんな役割があるのか、またどんな刺激を与えるか。これらのことがわかるだけでも安心して化粧品を自分の顔や身体に使用することができます。刺激を感じやすい敏感肌用や乾燥肌、ゆらぎ肌は化粧品に配合されている成分の毒性に注目し、自分に合う化粧品選びを行いましょう!